2014年1月21日火曜日

イメージがもたらす力

ビリヤードというのは不思議なスポーツです。

ビリヤードというスポーツは、体の稼働部分は基本キューを持っている利き腕の肘の部分。
その肘を支点にして基本キューを振るのですが、たったそれだけの動きしかしていないにも関わらず結果が大きく違うことがあります。

しかし実はというと傍から見ていると肘を支点にキューを降っているようにしか見えませんが、実際にはその振り方やキューと体が触れている手がすごく重要になってきます。

よくビリヤードの本や雑誌のビギナー向け記事には
『肘を支点にまっすぐ引いてまっすぐ出す。』
と書いてあるでしょう。

間違ってはいませんが人間が最初からほぼまっすぐのキューを
『まっすぐ引いてまっすぐ出す』
という行為自体が不可脳なのです。

腕というのは肘だけではなく関節がいくつも付いています。
手首、肩、指の関節と大きく見ても何箇所も。

その関節にボルトが入っていて稼働する部分が決まっているのであれば
『まっすぐ引いてまっすぐ出す』
という行為は可能かもしれませんが人間の関節はある程度の遊びがあり
完璧な一定の動きができません。

そしてビリヤードは
『まっすぐ引いてまっすぐ出す』
という行為だけでなく、キューという木の棒のしなりを利用して手球をコントロールしていく競技です。
それも緻密に。

そのキューのしなりはタップと手玉のインパクトの瞬間にキューの動きが加速をして
いなければ発生しません。
インパクトはコンマ何秒というひとの目で見えない程度の瞬間です。

ではどのようにして上級者の方々は手球を正確に厚みにあてコントロールをしているのか?

それはイメージのなせる技です。

上級者のプレイの動きを細かく見ていると、必ずプレイにある一定のリズムがあります。

そのリズムは意図して作っているところもありますが実際にはほとんどが無意識。
みんなメトロノームを使ってリズムをとっているわけでも誰かが指揮者として
リズムをとっているわけでもありません。

上級者のリズムは構える前に全てのショットと台上の球の動きを全てイメージをして
そのイメージに沿ってプレイをしているからこそリズムが出てきます。

では初心者でもその構える前にイメージさえすればリズムが出るのか?または球が正確に厚みに撞けて正確にコントロールができるのか?というとそうではありません。
なぜかというと初心者と上級者のイメージには絶対的な違いがあります。

それは経験から来る細部にわたるイメージ力です。

上級者のイメージは球の動きや回転だけでなく、目に見えない手や筋肉やコンディションまたは手に残る感覚まで細かくイメージをしています。
それを一瞬で。

細かくイメージをしているからこそ、そのイメージの通りのプレイをすると成功率が高いのです。
それがビリヤードのレベルの違い。

もちろんある程度お決まりのフォームや形は大事ですし、キューを
『まっすぐ引いてまっすぐ出す』
ということは大事ですが毎回どんな体勢でもどんな撞点でもできるならいいですがそれは人間には不可脳。

それをイメージでできるだけ完璧に近い状態まで近づけるためにそのイメージを細かくする練習と知識の積み重ねそしてそれを実行する体の練習が必要になります。

ですので皆さんも体がおかしいのではなくイメージがおかしいとまずは疑ってみてはいかがでしょうか?

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